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イベントレポート第2回アトツギカイギ

「アトツギカイギ」は後継ぎ経営者が抱える特有の課題について「サイボウズ製品の活用」を軸に議論をすることで、新しい気付きを得たり、知見を深めるためのイベントです。第2回目のアトツギカイギを2021年4月27日(火)にオンライン形式で開催しました。サイボウズ Office ユーザーによる発表の様子をレポートします。

今回の参加者

サイボウズとユーザー様間での、様々な情報共有や活動を通して、共に成長できる関係を目指すハドルパートナー制度。今回は、同制度に参加いただいている2名の跡継ぎ経営者にご登壇いただきました。交流会には、事業承継に際し情報収集をしている後継ぎ経営者14名にご参加いただきました。

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入交電設株式会社
取締役

隅 つばさ

隅様の発表内容は、この記事で紹介させていただいています。

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東北コピー販売株式会社
代表取締役社長

高橋 剛

高橋様の発表内容は、kintone hive online でご紹介させていただいています。

事例発表:私の人生を変えたサイボウズは、
社員のマインドも変えた

1「仕事はしなくていい」と言われた37歳の次期社長

入交電設株式会社は隅氏の曽祖父様が昭和11年に創業され、2021年に85周年をむかえた従業員30名の会社です。山口市を中心に道路照明・信号機など、電気工事の設計と施工を手がけています。

隅氏が同社に入社したのは2018年でした。それまでは生命保険会社に勤めており、家業を継ぐという考えは一切ありませんでしたが、「両親が繋いできた会社を手伝いたい」という気持ちで入社を決めました。

隅氏にとって入社から半年は辛い時期でした。入社当日に、思いがけず自分が次期社長であることを知ります。それにも関わらず社長であるお父様に「仕事はしなくていい、本を読むことと人を見ることをしなさい」と言われ、社長になるのに何の期待もされていないのだと感じてしまいました。
お父様が「実務に携わる社長ではなく、広い視野を持って人を動かせる社長になってほしい」という意図で発言されたことは理解できましたが、入社直後に営業や入札などの業務を与えられなかったので「社会的な価値がない」と言われたような気になったのです。それでも隅氏は「絶対に諦めたくない」という気持ちで耐えました。

2事業承継者として不安すぎる会社の課題

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隅氏は後継者として自分ができることを考え始めます。見つかった課題は、離職率の高さ・後継者不足・人手不足・採用難・長時間労働の常態化など膨大。電気工事は工期の終盤を担うことから工事の遅れのしわ寄せを受けやすく、働き方改革とは最も遠い業種に思えました。

また色々なことがアナログ的でした。帳簿の付け方や倉庫にファイルを保管する方法など、平成初期にできた仕組みで会社は動いていました。中でも隅氏が問題と感じたのは「社員がデータベース」だったことです。「それ、〇〇さんに聞いたらわかるよ」という会話が日常茶飯事で、ノウハウを持つ社員の休暇や退職は命取りになりそうです。重要な書類は膨大にあるようでしたが、どこに何の書類が収められているのかはわかりませんでした。

事業承継する立場として不安でいっぱいになった隅氏は「会社の継続のために今必要なことは管理ではないか。」と考えて動き始めます。

3サイボウズ Officeを活用して働き方改革をスタート

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社員が声をあげられる場作り
隅氏が「自身ができること」として取り掛かったのは「働き方改革」でした。 社長であるお父様からは「建設業に働き方改革なんてない」と反対されましたが、社員と社長の間をつなぐ梯子になりたいと懸命だったそうです。

そんな同社の働き方改革の柱の1つは、社員が声をあげられる場作りです。現状の課題を洗い出し、改善策を皆で決め実行し、翌月に振り返ってPDCAを回します。
2019年6月の初会議では、コミュニケーション不足・人手不足・時間外労働問題・給与・保管書類の整理ができていない・社内申請に時間がかかり過ぎるなどの課題が浮き彫りになりました。

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サイボウズ Officeで社内業務をIT化
同社の働き方改革のもう一つの柱は「サイボウズ Officeを導入した社内業務のIT化」です。社員から出た課題を解決するためにもグループウエアを社内に定着させる必要があったので、隅氏は導入時に2つの工夫をしました。1つは社員の支給携帯をガラケーからスマホにすること。2つ目は、「掲示板」とカスタムアプリ「作業日報」の2つのアプリだけでスモールスタートを切ることです。どこでもアプリを使える環境を作り、忙しい職人に抵抗なく使ってもらうためでした。

4アプリケーションの活用方法

「掲示板」
日中は現場に出ている職人たちは、社内の様々な情報をキャッチすることが困難でした。この状況を解決したのが掲示板です。総務を始めとする各部署からのお知らせや他部署の進捗状況などを、空き時間に現場からスマホで確認できるようになったことで、このカスタムアプリは情報共有として使われるだけでなく、部署を超えたコミュニケーションツールになったのです。

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カスタムアプリ「作業日報」
従来の同社の日報は、1枚の紙の日報に全員が書き込む形式でした。日報を書くためだけに帰社する社員がいたり、夕方には「日報待ちの行列」ができたりしていました。この状況を日報アプリは劇的に変えます。アプリはどこでも入力可能なので、日報行列は一瞬で消えて無くなったのです。「建設業に働き方改革はない」という意識を変えたい一心でアプリに盛り込んだ「労働時間集計機能」のおかげで、時間外労働の状況も簡単に確認できるようにもなりました。

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「ワークフロー」
手書きの各種申請や稟議書を紙への手書きからカスタムアプリに置き換えることで、承認速度がアップしました。かつては最終決裁者の社長の元に届くころには有給休暇が終わっていたということもあったそうです。

カスタムアプリ「工具管理」
工具は大切な商売道具であるにも関わらず、かつては何が何個あるのかわからない状態でした。社員から課題として上がった整理整頓を実現するため、工具を購入した時点から登録するカスタムアプリを作ったのです。こうすることで、工具の状況が一目瞭然になりました。特徴的な点は、工具室から取り出すときにはホワイトボードを活用することです。全てをデジタル化するのではなく、アナログと併用によって継続可能な管理方法を実現しました。

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カスタムアプリ「顧客管理」
紙での保管しかしていなかった顧客管理。お客様の問い合わせに即答できず、85年分の顧客情報ファイルから探して回答していました。
工事実績、図面、問い合わせ履歴などを顧客ごとに登録することで、書庫を探すことなく自席から問い合わせに回答できるようになりました。また請求漏れがなくなる、BCP対策としても機能するなど、複数のメリットが生まれています。

5社内の雰囲気が好転、社員との距離も近づいた

社内の雰囲気改善がもたらした採用の大成功
働き方改革をはじめてから1年後、社内の雰囲気はすっかり変わっていました。2019年6月の最初の会議で社員からあがった会社の課題は、むしろ会社の良いところになっていました。atotsugi04.png

また、働き方改革をしていることが求職者に好印象を与え、1年間で新卒と中途を合わせて8名も採用できました。そのうち3名は、これまで採用が難しかった女性社員です。新人の仲間入りはそれまでの取り組みが正しかったことを証明し、社員の隅氏を見る目も少しずつ変わっていきました。

社員さんと距離が近づいた気がする

入社時は社員との距離を感じていた隅氏ですが、2年を経てその距離が近くなったと思えるようになりました。「自分が取り組んでいることが正しいのか?」と不安を抱えながらも全力で走ってきたことで、共感してくれる社員が少しずつ増え、働き方改革への意識が育っていったのです。

もう隅氏の仕事は入社当日に言い渡された「本を読むことと人を見ること」だけではありません。今回の取り組みを通じて色々な人に出会い、隅氏の人生は大きく動き出しました。今では「社員がこの会社で働いてよかったと家族や友人に自慢したくなる会社」を作ることを目標に日々を送っているのです。

質疑応答

隅氏の発表に対し、参加者の皆様から跡継ぎ経営者様らしい質問が多数寄せられました。

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参加者

社長であるお父様とのご関係に変化はありましたか?

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隅氏

親子なのでやり取りが難しい面があります。一方で、採用で応募者から「働き方改革」が好印象ということばが必ず出ること、そして採用できることで、父は私の意見を以前より聞いてくれるようになりました。

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参加者

どのくらいの期間で会社の雰囲気が変わりましたか?

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隅氏

半年くらいで雰囲気は変わりました。2019年の6月にサイボウズを導入し、その日から日報の入力が楽になったことが最初の変化のきっかけでした。社員による改善もうまくいき、同9月に高校生からの応募書類が4通も届いたことで皆が驚き、私に対する目もどんどん変わっていきました。

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参加者

アプリ導入後、書類の利用は一斉に禁止しましたか、段階的でしたか?

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隅氏

業務ごとに使い分けています。紙を残しているものもあります。一斉に移行したのは日報です。日報アプリは書類の時と同じ項目・同じ並び順にすることで抵抗なく移行できました。

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参加者

スマホを触れない高齢社員はどうされましたか?

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隅氏

サイボウズ Officeはとても簡単です。当社の最高年齢は84歳です。その方も、掲示板に自ら投稿をするなどアプリを問題なく使っています。アプリ管理者は、操作が簡単なアプリになるように作る工夫をしています。

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参加者

顧客台帳のデータ化はどのように進めましたか?

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隅氏

社員は持ち場で忙しいので、私の空き時間にアルバイトさんと一緒にやりました。徐々に進めて1年ほどかかりました。

まとめ

第2回目の「アトツギカイギ」。参加者は「ITツールの活用や業務改善によって会社の風土改革ができた」点に感銘を受けておられました。
ブレイクアウトセッションでは参加者が5〜6人のグループに別れ、それぞれが自社の取り組みを少しずつ発表。サイボウズ Officeやkintoneの具体的な使い方が多数登場し「なるほどその手があったのか!」とお互いに大きな気付きを得ておられました。熱心な意見交換のおかげで有意義な会になりました。ありがとうございました。

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