ユーザー会レポートサイボウズ Office活用研究会
〜一番業務を効率化できたサイボウズOfficeの使い方とは?〜
「サイボウズ Office」の活用法をユーザー様同士で語り合う活用研究会を2019年11月22日に開催しました。今回の開催地は初めての名古屋。テーマは「一番業務を効率化できたサイボウズ Officeの使い方」ということで、シンプルなものからテクニカルな事例まで多彩な活用法が紹介されました。その様子をレポートします。

INDEX
今回の参加者
今回はサイボウズ Officeをご利用中の5社のユーザー様にお集まりいただきました。
会社名 | 業種 | 導入時期 | ユーザー数 | ご利用コース |
---|---|---|---|---|
社会保険労務士法人 ワーク・イノベーション |
士業 | 2016年 | 34名 | クラウド版 スタンダード |
株式会社豊和 | サービス業 | 2016年 | 60名 | クラウド版 スタンダード |
こころのげんき株式会社 | サービス業 | 2018年 | 9名 | クラウド版 プレミアム |
株式会社柏圭 | 卸・小売業 | 2017年 | 160名 | クラウド版 プレミアム |
株式会社東海保険工房 | 保険代理店業 | 2015年 | 5名 | クラウド版 プレミアム |
活用発表
参加者の方々に発表いただいたサイボウズ Officeの活用法とその効果をご紹介します。
1勤務日・時間がバラバラでも情報共有を密に、チームとして連携可能に
社会保険労務士法人ワーク・イノベーション 社会保険労務士 糠谷栄子様

ワーク・イノベーションは社会労務士法人です。社員の働き方は多種多様で、代表は産休中につき在宅ワーク中(2019年11月時点)、スタッフのほとんどが子育て中で短時間勤務、在宅ワーク、パートタイマーなどを選択しています。登壇いただいた糠谷様も家庭の事情で横浜から名古屋に引っ越し、リモートワークをしながら月2回上京するスタイルですが「遠いけれど快適にお客様とやり取りできている。」といいます。
そんな同社で役立っているサイボウズ Officeの機能は「スケジュール」です。

活用のポイントの1つ目は「予定メニュー」。以前は工数管理やタスク管理に試行錯誤していましたが、業務ごとの工数はだいたい同じと気付き、就業規則や給与計算など「仕事の名前」を予定メニューに登録しました。スケジュール登録をするときに「予定メニュー」から仕事内容を選んでもらうことで誰がどの業務をどれだけ担当しているのかひと目で明確に分かるようになりました。

活用のポイント2つ目は「組織のスケジュール」の使い方です。スタッフ個人の勤務予定を登録する際、組織アカウントを一緒に登録するルールで運用しています。こうすることで組織のスケジュールを見るだけでその日の出勤者や休暇者の状況や業務内容が分かるので仕事の抜け漏れを防げますし、例えば子供がインフルエンザにかかった社員が急遽休むときも「お休み情報」が表示されるので出勤者を探して仕事を依頼できています。このようにして勤務日・時間がバラバラなスタッフが情報共有を密に行い、互いに連携できるようになりました。
2店舗間の情報共有がスムーズに
株式会社豊和 総務部 次長 杉村聖士様

株式会社豊和はスイミングスクールや温浴施設など6店舗を運営しています。従業員はアルバイト250名、正社員58名です。サイボウズ Officeは正社員が利用しています。
これまで同社の基本的な連絡手段は電話またはメール(Outlook)で、情報の共有は会議で行っていました。そのため他の店舗がどのように活動しているかは全員には伝わりにくく、タイムリーに情報共有ができませんでした。また特に店舗間の会議の日程調整には苦労しており、電話をかけても離席していてつながらないなど、二度手間になることも多かったといいます。
現在、同社ではサイボウズ Officeの3つの機能を活用しています。
1つ目は「スケジュール」。スタッフは自分のスケジュールをそれぞれ登録します。特に施設の支配人は予定をきちんと入力するようにしているので拠点を超えた会議の調整が簡単になりました。
2つ目は「メッセージ」。これまでは会議報告の場だけでイベント報告と内容の共有をしていましたが、これを全社で共有できるようになりました。メッセージでは、相手のシフトや忙しさに気兼ねせず、それぞれ都合のよいタイミングで発信・受信することができます。これによってタイムリーに店舗の動きを共有できるようにもなりました。

3つ目は「ワークフロー」による交通費精算です。同社では店舗間の車移動が多いので予め移動パターン(店舗間の距離)を登録しておき、そこから選択するだけで経費精算ができるようにしています。

今後は、「ワークフロー」で稟議書・備品発注をスピーディにすること、ペーパーレス化を目指すこと、労務管理にも踏み込んでいきたいとのことです。
3ほとんどの業務をクラウド化し、どこでも仕事が可能に
こころのげんき株式会社 代表取締役 堀恵子様

こころのげんき株式会社は心理カウンセリング事業などを行う会社で、2019年に法人化しました。岐阜市と名古屋市にカウンセリングルームがあります。社員は3人、非常勤が2名です。各人のオフィスでの勤務時間は週3日程度でカウンセリング予約時間以外の勤務場所は自由です。
同社でのサイボウズ Office活用法の1つ目は個人の予定の共有と、カウンセリング部屋の予約を「スケジュール」で行うことです。元々、社員同士が顔を合わせることが少ないうえに、個人の予定は手帳管理、カウンセリングルームの予約はノート管理でした。サイボウズ Officeの「スケジュール」で管理するようになり、同僚の予定と部屋の予約状況がひと目で分かるので、お客様からの問い合わせに即答できるようになりましたし、自己管理上のミスや混乱も解消されました。


2つ目は、お問い合わせを管理するための「カスタムアプリ」です。新規のお客様からは電話・FAX・メールなど様々な経路でお問い合わせが来ます。これまでの誰が何をどう対応したのか分かりにくい状況を解決すべく、サンプルの「クレーム管理」をベースに「問い合わせ管理」アプリを作成しました。このアプリを見るだけでお問い合わせから日程調整・決定日時の連絡までを一貫して管理できるので、顧客対応でのミスが減りました。

さらに、Excelで管理していた顧客データを「カスタムアプリ」の「ファイルから作成する」を使ってアプリ化しました。Excelデータをクラウド化できたので、どのカウンセリング部屋からでも新規クライアントの入力ができるだけでなく、他スタッフが担当している顧客の状況も確認することができるので、よりスムーズに顧客対応ができるようになりました。
この他にも、下記のような活用効果が得られています。
- スタッフ間のやり取りは「個人フォルダ」、プロジェクトごとのやりとりは「プロジェクト」で行うというルールを徹底
→どこに必要な情報があるのか分かりやすくなった
- スケジュールとアドレス帳、報告書の連携機能を使って、顧客の対応履歴を共有
→顧客ごとの対応履歴を整理して残せるようになった。
4ワークフローで決裁期間が最大2ヶ月から最短半日に短縮
株式会社柏圭 管理部 馬籠梨菜様

株式会社柏圭はジュエリーの製造・販売を行う会社です。東京・名古屋・大阪にオフィスがあり、百貨店16店舗、直営店4店舗を運営しています。
同社には課題が2つありました。
1つ目の課題は、オフィスで勤務しているスタッフと百貨店などオフィス以外の場所で勤務しているスタッフとの間に高い壁があったことです。以前は連絡ツールとして主にLotus Notes(社内サーバー)のメール機能を利用しており、社外からはメールの確認ができませんでした。営業マンや百貨店勤務者には、パソコンメール・携帯メール・電話などを組み合わせて連絡していたため複雑で手間がかかるうえ、相手に伝わったのかどうかわからず、不安を感じる状況でした。さらに百貨店勤務者はオフィス側の状況が見えないことから、問い合わせも多数ありました。
2つ目の課題は申請・承認業務を紙の回覧によって行っていたことによる申請期間の長期化です。承認業務はすべて帰社後、出張中は申請業務は停止だったため、決裁までに最低1週間〜最大2ヶ月もかかっていました。
これらの問題を解決し「オフィスの内外問わず、全員に同じ情報を同じタイミングで受発信できること」を目標にサイボウズ Officeが導入されました。
サイボウズ Office導入後は、オフィス、外出先、百貨店のどこからでも情報を確認できるようになりました。閲覧したらリアクションボタンで反応するようになり、伝わったか分からないという不安も解消されました。オフィス外からでも自ら情報を探せるので、百貨店勤務者からの問い合わせも減りました。中でも同社が「一番効果を感じている」のは、「ワークフロー」活用による申請期間の短縮。約1週間~2カ月かかっていたのが、最短半日〜1週間になり、大幅な時間の短縮を達成しています。
もともと紙や電話を多用していた同社でサイボウズ Officeが浸透したのは馬籠様をはじめ管理部による「利用してもらう工夫」がありました。
1つ目の工夫は「稟議書回覧方法」をどの方法でもOKにしたこと。今までのやり方を続けたい方の気持ちに寄り添い、稟議をあげる方法として3つの選択肢から選べるようにしたのです。
- 今まで通りのエクセル+紙回覧
- 今まで通りのエクセル+ワークフロ―回覧
- ワークフローで入力+ワークフロー回覧
その結果、今は 3のワークフローで入力+ワークフロー回覧 のみが利用されています。1や2よりもサイボウズ Officeを利用することで、圧倒的に決裁速度が早くなることを実感して、自然と3を選ぶようになりました。

利用してもらう工夫の2つ目は、Excelの申請書とワークフローの見た目をなるべく同じにすることです。入力フォームは利用者が混乱しないようエクセルと同様の内容を記述すれば良いように工夫しました。

利用してもらう工夫の3つ目は、「掲示板」でのアナウンス強化と勉強会の開催です。稟議書以外でも機能を追加したときは「掲示板」でアナウンスしたり、勉強会を開催して利用者の理解を深めてもらえるようにしています。

この他にも、福利厚生の野球観戦チケット申請や、健康診断の受付などを「カスタムアプリ」で実施し、効率化を図っています。
5保険業務のタスクを見える化し、進捗管理にも成功
株式会社東海保険工房 八木雅司様

東海保険工房は東京海上日動の専属保険代理店で、損害保険・自動車保険・生命保険などを扱っています。営業2名・内勤1名・パート2名の5名で活動しています。
同社のサイボウズ Office導入の目的は「仕事の見える化」でした。これまで同社の情報共有はホワイトボードによる壁面管理で「自動車保険検証待ち」「口座の振替依頼書返送待ち」など、1件1件マーカーで書いていました。しかし約800名のお客様を2人の営業で管理するのでホワイトボードに書ききれない・対応完了になっているレコードが実は未対応・壁面に記載せずに本人にしか分からないレコードがあるといった問題がありました。これを解決すべくサイボウズ Officeで各業務のタスク管理を始めました。
同社では業務別にカスタムアプリを作成し、各業務の進捗情報を見える化しました。
主に利用しているのは、各種保険のタスクを管理する「ペンディング」アプリ、顧客からの問い合わせを管理するアプリ「車両の入替・増車」、エビデンスを残すための「社内議事録」の3つです。


サイボウズ Officeの活用で営業は外出先からも状況把握が可能になりました。八木様はこの点にも大きな効果を感じています。保険業法の改正により保険代理店は「顧客の対応履歴」を残すことが義務付けられました。ホワイトボードは消したらおしまいですが、サイボウズ Officeなら履歴が残るので普通に業務を進めるだけで法律も遵守することができています。
まとめ
名古屋初開催となった交流会。決裁期間の短縮や社員の仕事の見える化、社内浸透をすすめる工夫など多種多様な活用法が登場しました。
サイボウズ Officeの活用についてお互いの悩みを語り合い積極的に情報交換をされるシーンもあり、参加者様同士の情報共有を楽しんでいただけたようです。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。