ハドルパートナー交流会レポート活用事例紹介と製品に関する大質問大会を開催!
サイボウズの東京オフィスで3回目のハドルパートナー事例研究会を開催しました。今回は活用事例紹介と製品に関する大質問大会が行われました。当日の様子をレポートします。
INDEX
今回の参加者
今回の交流会は、7社9名のハドルパートナーにご参加いただきました。
シャローム株式会社
加藤様
大阪府堺市で12の介護施設を運営。本社は世界遺産に登録された仁徳天皇陵のすぐ側。加藤氏は「サイボウズ Office」活用のエキスパート。
学校法人東洋大学 情報システム部
藤原様
「サイボウズ Office」を約20年前に導入。ユーザー数が増えたため「サイボウズ Garoon」に移行した。いまでは「サイボウズ Garoon」無くして仕事が回らないという。そんな基幹システムに育てた立役者。
株式会社dii
永井様
岐阜県瑞浪市にある保険代理店。「サイボウズ Office」を営業の活動内容や顧客とのやり取りをカスタムアプリに集約するなど、営業戦略に活用している。
株式会社ワークアカデミー
與田様
大学の教育現場を支援する事業を展開。「サイボウズ Office」を17年以上利用しており與田氏はその管理者。
株式会社ワークアカデミー
沖田様
総務人事・経理・財務を担当。様々な活用方法を参考にしたいと参加された。
株式会社利根川産業
利根川様
東京都足立区で廃棄物リサイクル業を営む2代目経営者。ハドルパートナー活用事例研究会で沢山の刺激を得ようとご参加。
株式会社メカ
大城様
千葉県の業務用フライヤーや食用油精製機のメーカー。社長の大城氏は沖縄在住のため、ほとんどの社内コミュニケーションは「サイボウズ Office」で行っている。
株式会社メカ
伊藤様
請求業務のチームリーダー。「サイボウズ Office」のカスタムアプリを頻繁に利用している。もっと便利になるような気づきを得られればと思いご参加。
野原興産株式会社
野原様
兵庫県でスポーツ系アミューズメント施設を複数運営している。各施設に「サイボウズ Office」を導入し、指示や報告が円滑に進むように日々工夫をしている2代目経営者。
活用発表
1カスタムアプリ「晴れる家200日大作戦」& 勤怠システムの大改革
シャローム株式会社は大阪府堺市で12の介護施設を運営している会社です。加藤氏は総務・事務関連の責任者で、「サイボウズ Office」による業務の仕組化や効率化を担っています。
加藤氏が発表された活用事例は2点。1つ目はカスタムアプリの活用事例です。2019年7月7日に退任予定の創業社長への贈り物として「200日以内に施設を満床にしよう!」という目標を掲げました。プロジェクト名は「晴れる家200日大作戦」。この目標を達成するために、加藤氏はカスタムアプリを活用しました。
加藤氏が重視したのは、全社員が直感的にプロジェクトの進捗状況を把握できることと、メンテナンスしなくても情報が更新されること。そこでカスアムアプリのメモ欄に社員に共有したい情報をインライン表示でまとめる設定を行いました。
具体的には、「満床グラフ」では施設ごとの残室数の日別推移グラフのほか、その日の残室数を表す「満床表」、プロジェクト終了日まで日数を表す「晴メーター」をメモ欄にインライン表示で掲載。各施設の担当者がその日の営業状況を入力すると、これらのグラフや表も自動的に更新されます。自動更新の仕組は「日付の自動計算」と「今日までのデータに絞り込んで表示する」設定を組み合わせています。これによって、メンテナンスなしで毎日最新の情報が共有できるのです。
残室数などの営業状況は、同じメモ欄にあるハイパーリンクから、各施設の担当者が入力します。リンク先には、プロジェクト終了日である7/7までのデータを一気に変更できる「一括編集」画面を設定し、入力作業がスムーズに行えるようにしています。担当者が必要な情報を入力すると7/7までのデータが全て最新情報に置きかわります。
2つ目は「サイボウズ Office」を利用した「勤怠システムの大改革」プロジェクトです。この試みは「サイボウズ Office」に精通している加藤氏が「本当にできるのか?」と感じるほど困難なものでした。その原因は、介護事業者であるがゆえに職種(看護師や介護士)・勤務形態(正社員やパート)・国からの補助金による手当など、計算に入れるべき要素が多すぎること。介護事業者向けの勤怠システムもありますが、それでもまかないきれない複雑さのため結局は書類とワークフロー機能などを組み合わせて担当者が集計する方法で何とかやりくりしています。この状況を加藤氏は「アナログの極み」と表現しました。
加藤氏はこの「アナログの極み」である勤怠システムをカスタムアプリでシステム化しようとしています。下図は加藤氏によるカスタムアプリの構想図。加藤氏は「強い信念を持ってカスタムアプリで勤怠システムを完成させたい」と熱く語りました。完成が楽しみなプロジェクトでした。
2社内コミュニケーションツールとしての「サイボウズ Office」活用事例
株式会社ワークアカデミーは大学支援やスクール運営などの教育関連サービスを提供する会社です。社員は約100名で勤務地が30拠点に分散しているので「サイボウズ Office」なくしては社内コミュニケーションが成り立たないといいます。與田氏からは、同社が過去に経験した「サイボウズ Office」で上手くコミュニケーションが取れなかった2つのケースとその解決策が紹介されました。
1つ目は「あのやり取りどこだっけ?」問題です。同社ではメッセージ機能でかなり多くのコメントをやり取りします。ユーザーは複数の拠点に在籍しており多くの人が大量に書き込むため、後で確認したくなっても、やり取りがどこにあるのか、探すのが大変でした。この問題は大量に立ち上がっていたメッセージをプロジェクトごとに統合・廃止して、メッセージの数を絞ることで解決されました。大きなプロジェクトメッセージを作り、そこに関連情報を全て書き込む方式にすると目的の情報を見つけやすくなったのです。
この方法にはコツがあります。メッセージの本文にプロジェクトの概要や関連する資料を添付します。そしてそれらをこまめに更新し、常にプロジェクトの最新情報が集約されている状態を保つことです。例えばパンフレット制作をするための大掛かりな仕事のメッセージでは、関連資料が数百も添付されており、事例研究会当日の時点で9,842件ものコメントが付いていました。パンフレット制作は毎年行われるので引き継がれて本文が更新され続けた結果ということでした。
もう一つは「雑な依頼」問題です。具体的には2つの傾向がありました。
- メッセージのコメント欄で仕事の依頼をした際、依頼された側がコメントを見落としてしまう
- 2人に向けた別々の依頼を1つのコメント欄に同時に書いてしまうことで、誰が何に対応すべきなのかが分かりにくくなってしまう
この問題に対して、同社は3つの解決策を実施しました。
- メッセージの「宛先指定機能」の活用
宛先指定された人にはプッシュ通知が来るので見落としにくくなりました。同社が「サイボウズ Office」を導入した17年前にはこの機能はありませんでしたが、実装後に活用を始めると見落とし解消に効果的でした。
- 読む側を意識してコメントの書き方を工夫
「1つのコメントでは1人に向けた依頼だけを書く」など、依頼された人にとって分かりやすく書くことを推奨することで依頼の見落としが減っています。
- 仕事依頼専用のカスタムアプリ
同じような依頼が繰り返される業務を「依頼専用のカスタムアプリ」でフォーマットに沿って依頼を行うことで、依頼する側も依頼される側も業務効率が非常にあがりました。
與田氏は「今後もサイボウズを楽しく使っていく」と発表を締めくくりました。
3 スポーツ施設の現場スタッフとトップをつなぐ「サイボウズ Office」活用術
野原興産株式会社は兵庫県の川西市でスポーツ系アミューズメント施設を運営しています。家業である同社を継ぐために通信系企業から入社した野原氏は、社内のITインフラの少なさや、自分とスタッフのITリテラシーのギャップを強く感じました。このギャップを埋めるために「サイボウズ Office」を導入し、日々工夫を重ねています。野原氏からは、現場と情報を連携するためのカスタムアプリについて発表していただきました。
野原氏は、社内で現場の声がトップに聞こえて来ない・トップの声が現場に伝わらないことに課題を感じていました。そこで責任者の作業指示と現場スタッフの業務報告が伝わる・聞こえる「作業指示・報告アプリ」を作成。現場スタッフがiPadから利用できるようにしました。
まず、専用の掲示板を作成。そこに「スタッフアクセスボタン」という形で、現場スタッフの名前を掲載。そこから「作業指示・報告アプリ」の担当者別に絞り込んだ一覧ビューへリンクを設定しています。現場スタッフは、掲示板で自分の名前をクリックすれば、責任者からの「作業指示書」を確認できるという仕組みです。
スタッフはここに「作業進捗」「業務報告」「接客報告」「保守報告」を掲載します。報告は選択式で「円滑に完了した」「トラブルが発生した」「報告すべきことがある」の3つです。特別に報告すべきことがある場合はコメントを書く項目があり、コメントが記入されると責任者にプッシュ通知が飛びます。これで作業指示と報告がスムーズにできるようになりました。全体の作業状況を一覧で見ることもできるので、経営者である野原氏も現場で何が起こっているのか俯瞰できて便利です。
「サイボウズ Office」大質問大会
活用事例紹介タイムの後には「サイボウズ Office」についての「大質問大会」が開催されました。3つの質問が登場したので紹介します。
スケジュール調整の工夫について
カレンダー上に自分の予定と参照予定(出席しない予定)が複数同時に表示されるので、予定を新しく入れようとした時に、自分のスケジュールの空き状況を一目で判断できずに困っています。
スケジュールの調整の工夫について伺えますか。
実際に出席する予定はカレンダーの「期間予定」に入れています。
入力ルールを決めることがコツで、予定メニューに「野原」、タイトルには「時間+予定名」という形で登録します。
この方法なら「期間予定」を見れば自分の出席すべき予定だけが表示されるのでとても分かりやすいです。
サイボウズ社内では、関係があるけれど参加しない予定にはタイトル欄に「会議名+cc」という風に「cc」を付けることで見分けやすくしています。
「サイボウズ Office」を活用した社内活性化について
社内での会話が「『サイボウズ Office』を見てください」で終わることがあり、対人コミュニケーションがおざなりになっているかも?と感じることがあります。
そこで「サイボウズ Office」は便利に活用しつつも、リアルコミュニケーションをもっと活性化するコツがあれば教えてください。
弊社では仕事は「サイボウズ Office」が無いと回らないというくらいフル活用していますが、一方で、オフィスでは子供の話などの雑談で大いに盛り上がっています。
社員もデジタルとリアルの両方のコミュニケーションを欲しているので、バランスよく行うように心がけています。
「サイボウズ Office」による弊害はありますか?
「サイボウズ Office」を利用していることによる弊害などあれば、教えてください。
情報共有ツールでありながら、得意な人と不得意な人で情報格差ができてしまうことがあります。
苦手な人は情報を見切れなかったりします。
「サイボウズ Office」を導入したことで、今まで受け身で与えられていた情報が共有され、いつでも見ることができます。
一方で自分から取りに行く必要が出てきます。それをどう実現するかが課題ですね。
大学では「サイボウズ Office」をコミュニティのような感覚で使っているので話の途中で脱線が多くなることが弊害かもしれません。
目的に特化したカスタムアプリで仕事を進めるのは良いアイデアだと思いました。
まとめ
第3回目のハドルパートナーによる事例研究会。ご参加いただいた皆様の活用事例はどれも工夫が凝らされており、お互いに「次の一手に活かせるアイデアを得られた」と感じられる会でした。熱心な意見交換のおかげで有意義な研究会になりました。ありがとうございました。