イベントレポートサイボウズ Office 見学ツアー
「全社員が使えるシステムに」
カスタムアプリで取り組んだ業務効率化
- 株式会社西条環境分析センター -
2018年8月24日、四国初、第6回目となる「サイボウズ Office 見学ツアー」が開催された。会場は愛媛県にある株式会社西条環境分析センター。各所にビーカーやフラスコなどのガラス器具や分析装置が設置されているオフィスはまるで理科実験室だ。
今回の参加者は製品をご利用中の方から地元の販売店の方まで合わせて6名。
株式会社環境分析センターからは、金子社長、システムを担当する村尾氏、齋藤氏の3名に参加いただき、導入の歴史や活用方法を語っていただいた。
サイボウズ Office 見学ツアーとは?
サイボウズ Officeを導入している企業を訪問して、グループウェアの活用について学ぶツアーです。
INDEX
確かな技術で豊かな環境づくりを
―株式会社西条環境分析センターのこと―
1確かな技術で豊かな環境づくりを
愛媛県の東部、西日本最高峰石鎚山の麓に位置する西条市。古くより石鎚山の湧水の恩恵を受け、水の都として名高い。
そんな西条市で株式会社西条環境分析センターは1979年に創業し、「確かな技術で豊かな環境づくりに貢献する」というモットーの元、長年に渡り、水質や大気、騒音、振動、土壌などの環境分析の他、作業環境測定や製品分析など各種の測定や調査を行っている。
「暑かったり寒かったり、時には24時間の対応(交代制)になることもありますが頑張っています!」と笑顔で会社説明を行ってくださったのは社長の金子氏だ。
道路、土壌、河川、海など様々な場所を対象とする業務内容をご紹介いただいた。
2オフィス見学 - 環境分析を行う分析室
オフィス見学ではフラスコ、ビーカーなどの器具や分析装置が並ぶ分析室を見学した。白衣をまとった職員の方、至る所に記載された化学記号、劇薬管理のための鍵付きの保管庫、どれも普段は目にしない光景に、参加者は緊張感とワクワク感を持って見入っていた。
この日も建設業者からサンプルの土が持ち込まれ、受付の方の気さくな対応と、談笑する光景が印象的だった。「分析センター」と聞くとどこか堅苦しさを感じるが、同社は地域に根付き、信頼される存在になっている。
3サイボウズとの出会い
環境分析という業務の性質上、外出する社員も多く、ポストイットなどの紙媒体での情報共有ではどうしてもミスが発生していたという。そんなとき、村尾氏が偶然雑誌で目にしたのがサイボウズ Officeだった。
「他のシステムでは数十万という費用を要する上に構築も難しかった。それと比べてサイボウズは安価かつ、コンピューターが得意な人も苦手な人も、全社員が使えるシステム。これだ!とすぐに導入を決めた」と村尾氏は導入の経緯を説明する。
ベーシックだからこそ活用できる基本機能
―サイボウズ Office 活用方法―
1サイボウズ Officeで始まる業務改革
同社では「サイボウズ Officeが全社員で使えるシステム」 になっている。単にサイボウズ Officeに搭載された機能を利用するのではなく、皆がより使いやすいように細かい工夫がされていた。
もう一つが「電話メモ」の活用だ。同社ではVPN環境を構築し、社外からもサイボウズ Officeにアクセスできるようにしており、外出時の入電状況、社内からの業務依頼などを「電話メモ」で担当者のスマートフォンで確認できるようにしていた。
通知をすぐに確認し、そのまま対応ができるというメリットは非常に大きいという。
2エクセルからの脱却、カスタムアプリの活用
同社で扱う情報は、専門的で、非常に多岐にわたる。また分析に利用する試薬、機器の種類も多いため、これまで行っていたマクロを使ったエクセルでの管理は非常に煩雑だったという。そこで、従来エクセルで管理していた内容を「カスタムアプリ」に移行し、より効率的な作業を目指している。
西条環境分析センターでは30個ものカスタムアプリを作成し利用しているが、その中でも最も利用されている「試薬発注」アプリについて、齋藤氏よりデモを交えてご紹介いただいた。
環境分析を行うための試薬の発注管理を行う「試薬発注」アプリは、利用者のミスを防ぐ工夫がされていた。
例えば、絞込機能やビュー機能(一覧画面に表示する項目や色付け)、ソート機能(並び替え)を駆使し、誰が、何を、いつ、という情報が一目で分かる。劇物や毒物を色付けする工夫には、同じような工夫が自社でも活かせそうと参加者もうなずいていた。
また、ダイレクト表示も駆使していた。同社では様々なデータが飛び交う中、欲しいデータをすぐに確認できるようにしておく必要がある。ダイレクト表示ではあらかじめ指定した、絞込やビュー、ソートを適用したデータをワンクリックで表示できるようになっていた。
この「試薬発注」アプリがあることにより、誤発注や発注漏れを防ぐことにつながっているという。
この他にも、分析管理システムのデータをCSVファイルで書き出し、カスタムアプリで読み込むことで管理できるようにした「データシート」アプリや機器の点検記録を行う「測定機器点検計画表」アプリなどをご紹介いただいた。いずれも利用者目線で作られており、利用者からのフィードバックを元により使い勝手の良いアプリとなるよう改善を繰り返しているそうだ。
3カスタムアプリでミスを責めない風土づくり
同社では年間を通して、業務上のミスを登録し、一番業務改善に役立ったミスを表彰する "ミステイクオブザイヤー" という取り組みを行っている。
「ミスを責めないことが大切。ミスの背景にはシステムや業務手順に問題がある。起きてしまったミスを業務改善につなげるため、社員にはミスを自慢するくらいに思って発表して欲しい。」と村尾氏は述べる。
このミステイクオブザイヤーの取り組みに使われているのがカスタムアプリで作成した「ミスコン・ヒヤリ進行チェック表」アプリである。アプリではミスの内容をランク付けし、社内で共有している。
4楽しみながら身に付けるカスタムアプリ活用法
サイボウズ Officeをはじめ、システムを導入する際には利用者が慣れるまでに時間がかかってしまうことが障壁となる。その結果、いつの間にか使われないシステムとなってしまい、せっかく導入しても無駄になってしまうことがある。
それを防ぐため、同社では業務の流れを問題集にし、カスタムアプリで回答する「アプリ練習問題」というアプリがある。例えば、どの薬品をどの手順で利用するのか、どのアプリに登録すればいいのか、業務フローを問題化している。間違えた問題は管理者チーム(村尾氏、齋藤氏)が口頭で解説するなど、フォロー体制もしっかりしている。
その他にも村尾氏の発案で実施した「分の読み方アンケート」といったアプリも作成している。どちらのアプリもあえて簡単な作りにし、回答する(編集)、確認する(閲覧)といった基本的な操作を楽しみながら利用者に覚えてもらう取り組みを行っていた。
5サイボウズサポートのすすめ
「カスタムアプリを作る上で行き詰ることもあった。そんなときにメールでサイボウズのサポートセンターに問い合わせると非常に早く的確な回答をくれた。最近は遠隔支援というサポートも利用した。ありがたいサポートだ。」と村尾氏から嬉しい言葉もいただいた。
西条環境分析センターの運用をもっと教えて
- 質疑応答コーナー -
見学ツアー中には、参加者からの質問にも回答いただいた。
IT化を推進してきた村尾さんのモットーを教えてください。
「一生懸命仕事して、一生懸命遊ぶ!いかに仕事を楽にするか」ですね。
少人数でありながら扱う情報は非常に多岐にわたるため、業務を行うにはIT化を進めることが必要でした。創業当時、まだ個人でPCを利用することは一般的ではなかったのですが、PCの導入に踏み切り、社内LAN整備や分析管理システムの運用開始、サイボウズ Officeの導入などIT化を進めてきました。
基本機能は何を使っていますか?
個人フォルダ、スケジュール、アドレス帳、電話メモ、ToDoリスト、掲示板の6つです。
サイボウズ Officeを2003年に導入してから「カスタムアプリ」を利用し始めるまでの10年間は、6つの基本機能だけで十分満足していました。
「カスタムアプリ」を使い始めたきっかけは?
元々はエクセルで管理していたものをサイボウズ Officeで管理できないかというのが始まりでした。
最初は「カスタムアプリ」を作ることのハードルが高く、サイボウズで用意しているテンプレートを利用しようとしました。でも作ってみると簡単で、自社にあった作りにしたくて結局最初から自分で作ることにしました。
「カスタムアプリ」の難しさは?
村尾からサイボウズ Officeなどのシステム関係を引き継いでもらっています。「カスタムアプリ」の作り方自体は難しくないですね。
どちらかと言えばどんなものを作るかや、どうすれば利用者により使いやすくなるのかを想像するときに悩みます。見せ方ひとつとってもカレンダー表示を使うと、同じアプリでも別のシステムを使ったんじゃないかと思うくらい見た目が変わって、同じアプリでも幅広い見せ方ができるんです。アプリをどう組み立てるか、どの機能を使うとイメージに一番近くなるのかはサポートなどを利用しながら取り組んで行けると良いと思います。
実際に利用者の方の感想は?
最近入社した社員は「カスタムアプリ」が当たり前になっていますが、エクセルを使っていたころを知る社員は「使いやすい」とその利便性を感じてくれています。
導入時に反対意見は?
特に反対意見はなかったですね。当時私が社長をしていたこともあり「これ便利だから絶対使って」と言えたんです(笑)。
導入やアプリの作成は全て自身で担当しました。
クラウド版にしなかった理由は?
私たちがサイボウズ Officeを導入した2003年は、まだパッケージ版しかありませんでした。クラウド版が出たときに比較しましたが、それまで運用していたVPN環境下でのパッケージ版を使い続けることに、支障はありませんでした。他の社内システムとの兼ね合いもあり引き続きパッケージ版を使っています。
今日の見学ツアーはいかがでしたか?
―参加者からの感想―
見学ツアー後は、西条環境分析センター様の活用の工夫について多く感想が集まりました。
「スケジュール」内で天気を表示させたりなど、使い方の勉強になりました。
(販売店の方)
サイボウズ Officeは、アイデア次第では活用方法が無限にあり、面白いと思いました。
(サイボウズ製品未導入の方)
導入企業の方(西条環境分析センター様)もサイボウズの方も分かりやすく丁寧な説明で大いに満足しました。情報共有、使いやすさ、「カスタムアプリ」による展開が自社での運用の参考になりました。
(三光機械工業株式会社 河津孝治様 サイボウズ製品未導入)
株式会社西条環境分析センター様、そしてご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。